スクワットの話
脚トレの王道は言うまでもなくスクワットですね。しゃがむことによって股関節も膝も足首の関節も一緒に動きます。大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋を刺激するばかりでなく、腹筋や背筋、腰の筋肉群まで副次的に動かされるので、一回でおトクなトレーニングと言えるでしょう。
週末にしっかり脚のトレーニングをして、依頼されていたスクワットに関する原稿を書いていたので、頭の中は脚のことでいっぱいになっていました。人を見るとつい脚とお尻に目がいってしまいます。
脚のトレーニングをすると半端なく疲れますよね。週中には絶対出来ません。次の日は遅刻必須。なので、私は脚のトレーニングは金曜日か土曜日にしかしません。土曜日のジムは混んでいるので、比較的人が少ないランチタイムならラック待ちがなくて快適です。
話をスクワットに戻します。筋トレ関連の書籍を見ると膝を前に出さないようにしゃがむと書いてあることが多いです。しかし実際に膝を出さないでしゃがむと深く沈めなかったり、前傾がキツくなり、腰を痛めてしまいます。なので私は初心者の頃、ハーフスクワットで誤魔化していました。それでもスクワット中に腰を痛めて2ヶ月トレーニングが出来ないという事態に陥りました。
そんな中、かつてのミスターユニバースの杉田茂さん(上の写真)の「筋トレ虎の巻」という本を読みました。そこにはスクワットでは膝が前に出ることは日本人の体格では自然なことだと書かれていました。(杉田茂さんは筋肉はさることながら、絵も文章も素晴らしく、尊敬するボディビルダーの1人です。)私たちがジムでトレーナーさんに習ったり、教本で読むスクワットはアメリカ式のスクワットだったんですね。ちなみに私の今の師匠も膝を出すなとは言いません。
ちょっと話は脱線しますが、日本人の私達には昔は日常にしゃがむ動作が多かったです。例えば和式トイレ。子供からお年寄りまでみんな1日に何回もしゃがんでいました。膝も前にでてますね。
座敷では一度しゃがまないと座れませんよね。ベッドではなく布団生活でしたから、寝たり起きたりするときも、布団の上げ下げでもしゃがむ動作は何度もでてきます。今の私達より昔の人の方が股関節や足首は柔らかかったかもしれません。そして脚の力は昔の人の方が強かったでしょう。
さて、スクワットは高重量を扱うフリーウエイトなので、怪我には気を付けなくてはいけません。常に集中して動作をします。しかし、正しいフォーム、正しい重量で行えば下半身全体を効率よく安全に強化できます。
最近は女性もフリーウエイトコーナーで見かけることが多くなりました。嬉しいですね。男性が多いコーナーですが、気後れすることなくチャレンジして欲しいと思います。なぜなら、スクワットは美しいヒップラインを作るためにも効果が高いからです。中には筋肉が付いて脚が太くなるからイヤ、という人がいますが、安心してください。太くなるのは脂肪が落とし切れていないためです。
スクワットはむしろ消費カロリーが高く、筋肉が増えることで代謝が高くなり、脂肪を燃焼します。そして女性は筋肉が男性のようにつくことはありません。私は脂肪を落とし切った時点で太腿周り60センチを目指していますが、中々達成できません…
スクワットをしていると、股関節や足首も柔らかくなります。だんだんと可動域も広くなるので、筋肉が更に発達するし、柔軟性が出るので他のスポーツをしているときにも怪我が少なくなるのも嬉しいです。
私はダンスをしますが、スクワットを真剣にするようになってパフォーマンスが良くなりました。体の軸を作りやすいし、柔軟性が増して踊りやすいです。
スクワットにはさまざまなバリエーションがあり、とても奥深いです。まだまだこれから重量を伸ばさなくてはならないし、課題は沢山あります。トレイニーのみなさん、一緒に頑張りましょう。
【終わりに】
「絶対に太い脚になる!」
私のやる気スイッチが入ったのは先週のこと。パーソナルトレーニングの時でした。私の師匠が「俺の細い脚見る?」と言うので「何かある!」と思った私はもちろん「はい!」と言いました。
師匠はいきなりトレパンを脱いでビルパン姿に!見事な太い大腿四頭筋になった師匠の脚でした。たった数ヶ月で激変した脚を見て、自分も脚を激変させたいと思いました。何かを変えるには何かを引き換えにしなくては望むものを得ることができません。私が何を差し出すもの、それは努力です。